[追悼]東海林さだおさんに激怒された思い出
2026.04.24
2009年(平成21年)、『週刊朝日』に掲載された一篇――
「許さんどワシは!冷やしかつ丼、出会え-ッ!」。
初めてこのイラストを拝見したとき、正直なところ、身のすくむ思いがしました。
怒りをあらわにしたその表情と、迫力ある筆致に、ただただ圧倒されたのを覚えております。
けれども頁をめくれば、そこにあるのは、料理への深い愛情と憎めない茶目っ気。
冷やしかつ丼という一風変わった料理に対して、真剣に愉快に向き合ってくださる姿がありました。
読み終えた時に、あの“激怒”からこういうオチにつながるとは!と感動したのを覚えています。
東海林さだおさんは、料理をただの食べ物としてではなく、
人の想いや料理への愛情を、愛おしく描き出される稀有な表現者でした。
軽やかなユーモアの中に、確かな観察と敬意が宿る――
その文章とイラストは、今なお色あせることがありません。
なお本稿は、後にエッセイ集『いかめしの丸かじり』にも収められております。
あの日いただいた“お叱り”と、最後に添えていただいたお言葉は、私どもにとって忘れがたい宝です。
そして今年もまた、その「冷やしかつ丼」を5月1日より販売いたします。
涼やかな出汁とともに味わう丼は、おかげさまで25周年を迎えることができました。皆様のおかげと心より感謝いたします。
東海林さんが向き合ってくださった冷やしかつ丼を、これからも大切に作っていきたいと思います。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。




